乳幼児にとって見るもの触るもの、全てが初めての体験です。
乳幼児の回りはいわばデイズニーランドで、楽しいこと、美しいもの、怖いもので満ちています。子供はそういう状況のなかで、好奇心の塊となります。
なんでも舐めてみたり、かじってみたり、こわしてみたり。
正直に言って、親としては大変ですよね。
でも、この過程が乳幼児の脳力を育てるのです。
子供は遊び(いたずら、とも言えますね)の中で様々な刺激を受け、その刺激が脳のネットワークをどんどん作り替えていきます。単なる「遊び」ではなく、脳力を育てる「過程」だと考えることができます。
「脳のネットワークが変化すること」 それが子供の成長なのです。
マム・クラブでは「遊びの中で脳力を鍛える」という観点から、日々の保育プログラムを組み立てています。それを通して私たちは、受験の技術ではなく、人間として人間社会で生きていくための、基本を教えるべきだと考えています。
いくら良い大学を出ても、人間社会で生きていくことが出来なければ意味がありません。
子供の脳力を信じて、適切な環境で育てれば、子供は大きく伸びていきます。
子供の遊びは、人間社会を覚えるための「トレーニング」という意味合いが強いと言えます。「遊び」という名の「トレーニング」です。
今までは経験から語られることの多かった発達の過程も、最近の脳科学の著しい発展により、ある程度は明らかになってきています。
前頭前野は3歳ぐらいまで急激に発達します。3歳を過ぎると発達は緩やかになります。
だいたい生まれたときの脳の重さは380グラムぐらいです。それが3歳ぐらいの時点で1200グラムぐらいに成長します。3倍の大きさになるのです。
大人の脳の90%ぐらいまでに育つと言う事です。
この急激に脳が成長する段階に、どう子供を育てるかが、子供の人生を決めると言っても過言ではありません。
脳力を育てる「質の高い保育環境」は、子供に大きな影響を与えます。
面白いことに、3・4歳頃の子供は、質の高い環境に入れるとすぐに知力が回復します。
深刻な問題を抱えている子供でも3ヶ月ぐらいで落ち着きます。子供の持っている脳力の凄さを感じる瞬間です。
「質の高い保育」は「質の高い遊び」と言い換えることができます。
実は、単なる遊びとは違うのです。
マム・クラブでは、幼稚園教諭が中心となって、保育方針を立てています。
自分自身で子育てをし、幼稚園教諭の長い経験を持ったスタッフが、様々な保育方針を立てています。
マム・クラブの提供する「質の高い保育」は、経験と理論に裏打ちされています。
単なる遊びは遊んでいるだけで、子供が潜在的に持っている脳力を意識的に引き出そうとはしていません。 そのため、大部分の脳力は引き出されないままに、子供は成長していきます。
質の高い遊びの環境を与えるには、いくつかの前提があります。
その中で、マム・クラブが一番重要だと考えているのは、母子分離です。 親の保護下から離すことです。
当たり前のことですが、親の保護下にあると子供は親に依存します。
親に依存できる環境では、子供は自分で考える機会を逃してしまいます。子供が自分自身で気付き、自分で考えることが必要なのです。
マム・クラブでは、「質の高い保育」=「質の高い遊び」は、子育ての大事なポイントだと考えています。
「質の高い遊び」は、基本的には知力を押し込むのではなく、導き出すものです。
質の高い保育は、知識と知恵を子供の脳に蓄えていきます。
質の高い保育は、豊かな本物の経験を子供たちに与えます。
これらが豊かな心を持った子供に育つ基礎であると、私達は考えています。
乳幼児期に経験した知識・知恵・経験が人間の大きさを規定し、人間の脳力の絶対的な差を作ると言っても言い過ぎではないのです。
前頭前野は才能の源と言われており、乳幼児期の遊びが全頭全野の発達を促すことは、既に科学的に解明されています。
生まれてから3・4歳頃までに子供の脳は3倍ぐらいの大きさに成長し、知識・知恵をコントロールする前頭前野も大きく成長します。
しかし質の高い環境に入れなければ、質の高い脳力を獲得することができません。
子供自身が考えるという作業の積み重ねが「考える」習慣をつけ「脳力」つけることにつながります。脳力をつけるための特効薬はありません。日々の地道な積み重ねが「脳力」をつけていくのです。
「脳力」の増大は当然、「知力」の向上と比例します。
いかに子供自身が考える場面を作るかが、大事なポイントです。
また子供たちは贅沢なもので、自分の好きなことしかしません。無理してやらせると、頑固な子供は二度としなくなります。そうすると、やらせるのに大変な努力をしなければなりません。
「遊ぶ」ということは「楽しいこと」、と自然に子供を流していくのが周囲の役目でもあります。これは案外大変です。
保育はプロの仕事である、と私たちが考えるのはこのためです。
地域社会の崩壊とともに地域の子育ての機能も消滅し、代わりにインターネットを筆頭に様々な媒体が子育て情報を流しはじめました。この子育て情報の洪水の中からどのような基準で情報を選び出すのか、判断基準が明確でないと、せっかくの情報を有効に使うこともできません。
また、忘れてはならないのが子供の個体差です。同じ手法を使っても、子供によって反応は違います。それに柔軟に対応するのも保育者の役割です。
健在だった地域社会の子育て機能は、それぞれの子供に具体的な対応を示していたので、親も自分の子供に合った情報を得ることができていたと考えられます。
幻覚・幻聴・引きこもり・意欲の低下・感情がなくなる、などの症状を呈する統合失調症や、「ニート」「フリーター」など社会性の低い若者の増加は、先天的な脳の発達障害だけでなく、子育てという後天的な要素も原因の可能性があると、私たちは考えています。
子供の基本的脳力の程度は、3・4歳で明確に判断できることも、最近の研究で分かってきました。基本的脳力の程度は、子供が知力的にどんな人生を送る可能性があるかの目安になります。経済力・生活力などは、基礎に知力が必要です。鍛えられていない脳は、社会性の低さにつながります。
創造力とは、知識と経験を基礎とした脳の活動パターンの一つです。乳幼児期から知識・経験を質的にも量的にも与え、思考パターンを教えれば、子供の知力は驚くほど伸びます。
最初は教えるという作業をしなければなりませんが、面白いことに、一定の段階になると、教えなくても脳は自立運動をはじめるようです。
脳が自立運動をはじめると、子供は急激に言葉を覚えはじめます。そして、明確な意思を表すようになります。
こういった子供に共通しているのは、表情が豊かだということです。
しかし、5歳を超えると難しいというのが、現場での実感です。
最新の脳科学の研究結果も、乳幼児期の重要性を明らかにしています。社会性の低さは、脳の弱さ(トレーニング不足)に起因していることも分かっています。
脳と顔の表情は連動しているようです。
質の高い保育環境に入っても、創造力を発揮するまでには時間のかかる子供もいます。大抵は、一ヶ月程度で変化が現れますが、三ヶ月ほどかかる子供もいます。時間のかかる子供は、親が「叱らない」で育てた場合に多いようです。
子供の脳は、驚くべき力を持っています。どんなに多くの知識・経験をさせても、スポンジが水を吸収するように、瞬く間に吸収します。
何度でも言いますが、乳幼児期の子育ての仕方が、子供に大きな影響を与えます。
子育ての仕方を誤ると、脳を鍛えることなく大人になり、歳を重ねるに従って、子供の人生に影響を与えることになります。
乳幼児期の子育てが人生を決めるとは、こういう意味です。
2006年7月
マム・クラブ 園長
諸川隆幸
(株式会社ファーストエデュケーション 代表取締役)
※当ページは、印刷時には異なったレイアウトとなります。
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